研究課題/領域番号 |
06224207
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
八木 寿子 (平井 寿子) 東京工業大学, 工業材料研究所, 助手 (60218758)
|
研究分担者 |
近藤 建一 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (50111670)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | アモルファスダイヤモンド / C_<60>フラーレン / 衝撃圧縮 / 新物質 / 機能性 / 準安定相 |
研究概要 |
アモルファスダイヤモンドは各種のスペクトロスコピーによって長距離オーダーではアモルファスであり、短距離オーダーではダイヤモンドであると評価される新物質である。既に、C_<60>フラーレンを50万気圧、2000度の超高圧・超高温に衝撃圧縮することによってこの新物質の合成に成功していた。物質を衝撃圧縮すると高い残留温度が生じ、高圧相はじめ遷移状態や準安定相を凍結するためには10^<10>K/sオーダーの超急冷がが必要である。本年度はフラーレンからアモルファスダイヤモンドを再現性よく合成する超急冷衝撃圧縮技術を確立した。 また、C_<60>フラーレンからアモルファスダイヤモンドへ転換する過程を、すなわち、C_<60>フラーレンの崩壊からsp^3結合形成過程を、明らかにした。この転換過程は結晶構造と電子状態の変化を電子線回析と電子線エネルギー損失スペクトルを測定することによって行った。C_<60>フラーレンは2〜3の遷移的な状態を経てアモルファスダイヤモンドに転換する。第1の遷移状態ではfcc構造はほとんど変わらないがクラスターの接近によってπプラズモンが妨げられ、この状態はcompressedC_<60>fullereneと考えることができる。第2の遷移状態は、電子のバンド間遷移が著しく強調された状態であり、クラスターの更なる接近によってクラスター間結合が生じていることが示されている。C_<60>クラスターの基本構造は保持されており、一種のC_<60>-ポリマーと解釈することができる。第3の遷移状態では基本構造が崩壊しアモルファス化するが、一方では、局所的にsp^3結合が形成されている。sp^3結合が増加しそのまま結晶成長することなしに凍結されアモルファスダイヤモンドの状態に至る。
|