研究概要 |
一回の化学操作にて分子内で連続的に3回のミカエル反応を行わせ一挙に四員環性化合物を合成する新化学反応、intramolecular randem Michael Reactionの開発とこの成果に基ずき多数の不斉中心の存在及び多環性化合物であるため従来の方法では合成が困難な生理活性化合物の不斉合成についての検討を行った。 1.合成方法の確立 先ず同一分子内に複数のα,β-エノン系とα,β-不飽和エステル系を持つ基質に対しリチウム塩基を作用させ、lithium enolateを中間体としてコンホメーションを固定することにより高立体選択的な環形成法を見出した。使用する塩基と立体選択性の関連性を追及し、分子内三連続反応(intramolecular randem reaction)を一つの高立体選択的新環形成方法論として確立しえた。 2.不斉合成への展開 キラル補助剤存在下における分子内二重反応にてキラル合成に成功し、基質に対するキラル補助剤の相対関係(立体効果、位置効果等の関連性)を明らかにすることができた。
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