研究概要 |
1.非対称置換ビスシンナミルアンモニウム塩の[Pd(PPh_2Me)酸化的付加における置換基効果を、7種のm-,p-置換基を有する基質(基質:Pd(0)=1:3,基質初濃度6×10^<-3>M,温度-50℃)について分子内競争反応の手法で測定した。その結果、Hammett則に合致する電子吸引性基による加速効果ρ=0.48(r=0.984)を得た。別に、7種の非対称置換ビスシンナミル炭酸エルテルを基質とする同上実験によって、強い電子吸引基による著しい加速の偏り除外して、なおρ=1.2(r=0.983)を得た。この酸化的付加によるπ-アリルパラジウム生成過程は、S_N2^1-anti機構に一致するが、殊にニトロ置換基による偏りの原因は、Pd(0)から基質への電荷移動が先行するためと説明した(Scheme)。 2.キラルナなアリルアンモニウム塩によるアリル化反応における不斉移転(Eq.1) 式1に示すアリルアンモニウム塩を基質とする不斉移転立体選択性は、溶媒の効果を受けたが大概95-98% net retentionで進行することを初めて明らかにした。^<1)> 1) T.Doi, A.Yanagisawa, M.Miyazawa, and K.Yamamoto, Tetrahedron: Asymmetry, in press.
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