研究課題/領域番号 |
06225217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
八島 栄次 名古屋大学, 工学部, 講師 (50191101)
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研究分担者 |
幅上 茂樹 名古屋大学, 工学部, 助手 (30252266)
岡本 佳男 名古屋大学, 工学部, 教授 (60029501)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 高速液体クロマトグラフィー / キラル充填剤 / セルロースフェニルカルバメート / 光学分割 / 不斉識別 / アミロースフェニルカルバメート / キラルシフト試薬 / NMR |
研究概要 |
1.フェニル基上の様々な位置に、メチル基とクロロ基あるいはメチル基とフルオロ基を同時に有するセルロースやアミロースの2置換フェニルカルバメート誘導体を合成し、置換基の位置およびその種類の光学分割能におよぼす影響について調べた。多糖誘導体の光学分割能は、フェニル基上の置換基の位置、種類によって大きく異なり、セルロース誘導体では、メタおよびパラ位に置換基を有する誘導体が極めて高い分割能を示したのに対し、オルト位に置換基を有する誘導体は、置換基の種類にかかわらず分割能は低かった。一方、アミロース誘導体の場合は、オルト位に置換基を有する誘導体が、最も高い光学分割能を示した。 2.パラ位にトリメチルシリル基を有するセルロース トリス(4-トリメチルシリルフェニルカルバメート)(CTSP)が、HPLC用のキラル固定相として高い光学分割能を示し、クロロホルムに溶解することを見いだした。CTSP存在下、様々のキラルアミン、酸、アルコールが重クロロホルム中、^1HNMRで不斉識別され、CTSPが新規な高分子キラルシフト試薬としても有効であることが分かった。 3.フェニル基上にキラルなカルバモイル基を有する光学活性なフェニルアセチレン誘導体を合成し、ロジウム触媒を用いて重合した。得られたポリマーは、モノマーには見られない強い誘起CDが長波長領域(300〜500nm)に観測された。キラルな側鎖の影響で、主鎖が左右どちらか一方向にねじれたらせん構造を有しているためと考えられる。この光学活性ポリマーをキラル固定相として用いたところ、トレガ-塩基誘導体、スピロピラン誘導体、ベンゾインなど様々なラセミ体を光学分割することができ、新規な高分子系キラル固定相として有用であることがわかった。側鎖の光学活性基だけでなく、主鎖のキラリティー、おそらく一方向巻に片寄ったらせん構造が不斉識別に重要な役割を演じているものと考えられる。
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