研究課題/領域番号 |
06225219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
伊津野 真一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50158755)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 架橋高分子 / 不斉触媒 / ディールス・アルダー反応 / フローシステム |
研究概要 |
不溶性の架橋高分子担体に不斉触媒を結合することによって、貴重な不斉源の分離、定量的な回収、再使用が可能になる。また、触媒的不斉反応では、高分子触媒をカラムに充填することができるため、反応基質、試薬の溶液を連続的に流しながら反応を行うフローシステムが可能である。そこで、本研究では、高分子不斉触媒を開発するために、高分子化された不斉源の合成法の確立と、これを用いた不斉反応について検討し、不斉触媒の高分子化が立体選択性に及ぼす影響について詳しく検討すると共に、フローシステムの可能性を調査した。 1.光学活性化合物(不斉源)を高分子化する方法は、反応性基を有する架橋高分子に光学活性化合物を結合させる方法と光学活性モノマーを架橋剤とともに共重合する方法とを検討し、N-スルホニルアミノ酸、アミノアルコール、ジオール型の架橋高分子についてそれぞれの合成法を確立した。 2.高分子担持型不斉源とボランからなる錯体をキラルなルイス酸触媒として不斉Diels-Alder反応を行った。光学活性アミノアルコール型、ジオール型の高分子では高い選択性は得られなかった、N-スルホニルアミノ酸型高分子では、シクロペンタジエンとメタクロレインの反応で、65%eeを得た。 3.不斉選択性に及ぼす高分子の効果について種々検討し、特に架橋構造が重要であることを見いだした。架橋剤にジビニルベンゼンの替わりにオリゴオキシエチレン鎖を用いると最高95%eeまで選択性が向上し、対応する低分子触媒を上回る選択性を示した。 4.高分子不斉触媒をカラムに充填し、基質の混合溶液を流すとにより、カラム内で、不斉反応と分離が同時に行われ、連続的に光学活性生成物のみを取り出すことに成功した。
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