研究課題/領域番号 |
06225225
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
長尾 善光 徳島大学, 薬学部, 教授 (40027074)
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研究分担者 |
佐野 茂樹 徳島大学, 薬学部, 助手 (20226038)
木原 勝 徳島大学, 薬学部, 助教授 (80035550)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 化学選択的反応 / ルイス酸 / ディックマン型反応 / エナンチオ分岐的反応 / ジアステレオ分岐的反応 / α置換セリン / ビスラクチム / 免疫抑制剤 |
研究概要 |
各種ルイス酸-アミン塩基存在下に数種の対称チアゾリジンアミド体、対称ジエステル体、非対称半チオールジエステル体のディックマン型環化反応を試みた。その結果、AlCl_3-Et_3N系が最も効果的であり、半チオールジエステル体についての環化反応の際専ら環状β-ケトチオールエステル体を与えた。本化学選択性は塩基性条件下での環状β-ケトエステル体を与える方法と相補的であることから、光学活性な非対称ジエステル体を用いるエナンチオ分岐的ディックマン型環化反応を試みた。すなわち、プロキラルなσ-対称ジエステル体の酵素加水分解反応によって得られる光学活性なモノカルボン酸エステル体から半チオールジエステル体を合成し、LOAを用いて環化反応を行ったところ、光学活性な二環性β-ケトエステル体が得られた。次に、AlCl_3-Et_3N系反応剤の存在下に同様の環化反応を行いエステル交換すると、塩基性条件下で得た光学活性なβ-ケトエステル体のエナンチオマーを高収率で得ることができた。 次に、光学活性バリンより合成したビスラクチムエーテルカルボン酸エチルエステルを基質とし、Mg(II)-Et_3NあるいはSn(II)-N-エチルピペリジン系試薬存在下にアルドール型反応を行なうと、全く異なるジアステレオ選択性で生成物を与えた。生成物は、DIBAL還元反応、酸加水分解反応により光学活性なα-置換セリンγ-ラクトン体へと高収率で変換することができた。本不斉誘導反応はジアステレオ分岐的反応に該当するものであり、σ-対称なジエチルアミノマロネートがキラルセリンカルバニオン等価体して利用できることを実証したことになる。さらに、本反応を免疫抑制活性天然物ISP-I不斉全合成の鍵反応として用い、不斉全合成を完成した。
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