研究課題/領域番号 |
06226103
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
松原 義治 近畿大学, 理工学部, 教授 (10088320)
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研究分担者 |
森田 全律 近畿大学, 理工学部, 講師 (70140332)
前川 博史 大阪市立工業研究所, 有機科学課, 研究員
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 反応性金属陽極 / 高塩素有害物質 / 炭酸ガス / カルボニル化合物 / 有機電気化学反応 / 還元的カップリング / PCB / DDT |
研究概要 |
本研究では、本質的な無公害プロセスであり、多くの特長をもつ反応性金属陽極を用いる有機電気化学反応により、有効な除去浄化技術の確立が望まれているPCBやDDTなどの有害な高含塩素有機化合物と、炭酸ガスやカルボニル化合物との還元的カップリング反応を検討した。得られた成果は、二次的な環境汚染を引き起こさせることなしに、有害物質から有用機能物質へ効率的に変換させるという、環境保全と資源の有効利用との一石二鳥的な意義を持つ新技術の開発に貴重な貢献を果たすものである。 1.炭酸ガス存在下でのPCBおよびDDTの電極還元反応による炭酸固定化反応 C_<12>H_7Cl_3の平均分子量を持つポリ塩化ビフェニル(PCB)および1、1、1-トリクロロ-2、2-ビス(4-クロロフェニル)エタン(DDT)の電極還元反応では各々8F/mol、32F/molでそれぞれほぼ出発物質は消費され、炭酸化された生成物の率が良いことを見いだした。また、PCB,DDTの両方の反応において反応性電極としては陽極に亜鉛を用いた反応が最も有効であることが判明した。 2トリクロロ化合物とカルボニル化合物との電極還元カップリング反応 一般にDDTと同様に人体に有害である場合が多いgem-トリクロロ化合物をアルデヒドの存在下、反応性金属陽極を用いる電極還元法による脱塩素反応を検討した結果、クロスカップリング生成物として対応するα-クロロカルボニル化合物が効率的に得れることを見いだした。例えばトリクロロトルエンとベンズアルデヒドのカップリング反応ではマグネシウム陽極を用いると収率54%でα-クロロベンジルフェニルケトンが得られた。一方、トリクロロ酢酸エステルとの反応では亜鉛陽極でカップリング生成物の収率がはるかに良いことが判明した。
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