研究課題/領域番号 |
06226217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
小山 昇 東京農工大学, 工学部, 教授 (40134845)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1994年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 修飾電極 / 薄膜被覆電極 / 電子移動反応 / 酸化還元高分子 / 酸化還元ゲル / 体積相転移 / 酵素電極 |
研究概要 |
アクリルアミド誘導体とビニルフェロセンを共重合したゲル(PAFゲル)は、水溶液中において、20-30℃を境として低温側では膨潤し、高温側では収縮する。このPAFゲルで電極を被覆し、温度を制御した電解液中で電気化学測定を行った。その結果、体積変化が起こる温度は、還元された膜より酸化された膜の方が10℃程度高いことが明らかになった。また、30℃付近においては、膜を酸化・還元することにより膨潤・収縮挙動を制御できることがわかった。この特性は物質透過性制御膜、物質徐放材料、アクチュエーターなどに応用が可能である。また、膨潤状態においては、膜内における電荷移動の見かけの拡散係数(Dapp)が、収縮状態より2桁程度大きくなることがわかった。さらに、酸化還元電位も膨潤状態と収縮状態とで異なることがわかった。これらのことから、膜内における電子移動反応を小さな温度変化で大きく変化させることができ、温度スイッチなどとして利用できる可能性が示された。さらに、PAFゲルを膨潤させてグルコースオキシダーゼなどの水溶性酸化還元酵素を取り込ませ、収縮させることにより酵素を安定に保持できること、その状態でPAFゲルが酵素一電極間の電子伝達メディエーターとして機能することが明らかになった。すなわち、PAFゲル修飾電極に酵素を取り込ませるだけで、容易に酵素センサーを得ることができる。また、ゲルを再び膨潤させることにより、失活した酵素を取り出して新しい酵素に交換したり、酵素の種類を変えて異なるセンサーにすることもできることがわかった。
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