研究課題/領域番号 |
06226235
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
大塚 俊明 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (20113532)
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研究分担者 |
南後 守 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (90109893)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ポリピロール / ポリ酸 / モリブデン酸 / タングステン酸 / ケラチン / ポルフィリン / 電子伝達 / 電極触媒 |
研究概要 |
ピロール誘導体は、ポリピロールなどの導電性高分子膜の生成ならびにポルフィリンなどへの生体関連酸化還元種に繋がる重要な物質であり、有機電気化学の界面修飾の有用な物質である。本年度の研究では以下の2点に関して検討した。(1)ポリ酸を含むポリピロール膜の作成、(2)ケラチン膜を介したポリフィリンの固定化。 (1)ポリ酸を含むポリピロール膜の作成 ポリ酸として、酸性水溶液内で比較的安定な、タングステンならびにモリブデンの6種のイソならびにヘテロポリ酸を選び、このポリ酸酸性水溶液内でピロールを電解重合することで、ポリ酸含有のポリピロール(PPy)膜を得た。この膜の酸化還元特製をボルタムグラム、さらに同時に測定した重量変化測定と吸光度測定から調べた。膜は含まれるポリ酸に応じたボルタムグラム示し、膜の酸化還元特性がポリ酸イオンの酸化還元に対応すること、膜内の移動イオンが陽イオン(プロトン)であること、また、含まれるポリ酸に応じたエレクトロクロミズムが現れることが見い出された。また、膜は酸素還元反応についての電極触媒作用があることがわかった。 (2)ケラチン膜を介したポルフィリンの固定化 水あるいはギ酸に溶かしたもS-ケラチンをキャスト法でカーボン電極上、金電極なびにITO透明電極上に膜化し、加熱して固定化した。膜化する際に所定量のポルフィリン誘導体とのMn錯体(5種類)を加え、ケラチン膜内に固定化した。この膜被覆電極の中性水溶液中でのボルタムグラムならびに同時に測定した吸光度から、ポルフィリンに配位したMn(ii)/Mn(III)の酸化還元が、ケラチン膜内での電子伝達を経由して見い出された。このケラチン膜のポルフィリン固定化は、ポルフィリン類化合物の電子伝達のモデル実験に使えることがわかった。
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