研究課題/領域番号 |
06226249
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平尾 俊一 大阪大学, 工学部, 教授 (90116088)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | キノン / 共役系高分子 / 合成金属 / ポリアニリン / レドックス / 複合触媒 / 酸化反応 |
研究概要 |
配位子が可逆的なレドックスサイクルを形成し、遷移金属と配位圏内において直接的な電子的相互作用が可能になれば、触媒のレドックス機能を充分に発揮できる。この研究では、レドックス機能を有する配位子を導入することで、上記の機能が発現できる遷移金属複合錯体システムを開発することに成功した。 1.キノン系多座配位子の設計と複合錯体の形成 複素環ペンダントを含むキノン系多座配位子を設計合成し、そのレドックス特性を明らかにした。このキノン系多座標配位子と酢酸パラジウムより複合錯体を形成させた。錯体のレドックス特性を電気化学的手法で明らかにするとともに、構造X線構造解析で解明した。キノン酸素がパラジウムに配位し、トランス位にはピリジル基の窒素が位置していた。パラジウムはほぼ平面四配位であったが、アントラキノン骨格は平面から歪んでいた。 2.合成金属-遷移金属複合触媒系による酸化反応 共役系高分子(合成金属)は可逆的レドックスサイクルを形成でき、遷移金属が配位置すれば、金属が共役系で繋がった新しいタイプのクラスター触媒を創出できる。実際、ポリアニリンはパラジウムと錯体を形成するとともに、レドックス配位子として機能できることを明らかにした。この複合触媒は酸化反応、例えばワッカー酸化に有効であることを見いだした。電子伝達のためのレドックス過程は分光学的に解明した。銅(II)または鉄(III)の遷移金属とポリアニリンからなる複合触媒では、両者が共存することで、脱水素酸化反応などの酸化反応に有効であった。以上、「配位子の可逆的なレドックスサイクル形成に基づく触媒系構築」という概念を明らかにできた。
|