研究課題/領域番号 |
06226257
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
木谷 晧 広島大学, 工学部, 助教授 (70034395)
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研究分担者 |
井藤 壯太郎 広島大学, 工学部, 教授 (90034404)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 有機電気化学 / 酵素モデル反応 / メディエーター / 銅錯体 / ロジウム錯体 |
研究概要 |
本研究においては、有機化合物の電極反応において、酵素類似機能を有する新しい型のメディエーターの開発を目的として、以下の三種の酵素モデル反応系について検討した。 1.ケルセチン-ジオキシゲナーゼのモデル反応 本酵素はケルセチンの炭素-炭素二重結合を酸化的に開裂させる反応の触媒となる。前年度の検討において、塩化銅をメディエーターとしてスチレンの酸化的開裂が起こり、ベンズアルデヒドが生成することを報告した。この反応系は触媒活性を維持するために塩化物イオンの共存が必須であり、塩化フェナシルが副生するため、ベンズアルデヒドの選択率は70%となる。メディエーターの銅塩をポリマー中に固定化した系で電解を行なうと、塩化物イオンが存在しなくても電解が可能であり、ベンズアルデヒドの選択率は100%に向上する事を見い出した。 2.チロシナーゼのモデル反応 酸素存在下での、銅イオンをメディエーターとする芳香環のヒドロキシル化については以前に報告した。この電解系は、一価の銅イオンを安定化させるためにアセトニトリルの添加が必要であるが、実用性の観点からは、毒性や価格の点で望ましくない。アセトニトリル以外の配位子について検討した結果、少量の塩化物イオンの共存により、効率良くジヒドロキシル体が得られることを見い出した。 3.ニコチンアミド補酵素の電気化学的再生反応 前年度の検討において、メディエーターとしてのロジウムイオンを、ポリアニオンを含む電解重合膜中に固定化した電極を用いてNAD^+の電解還元を行い、選択率30-50%でNADHが得られることを見い出した。次にロジウム-ビピリジン錯体をアニオン性のハイドロゲルに固定化する方法について検討した結果、NADHの選択率が60-80%に向上した。
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