研究概要 |
ポリピロールやポリチオフェンで代表されるπ共役導電性高分子は電解酸化重合によって得られる。これらで被覆された電極は機能性電極として興味深い。ピロールの3,4位を化学修飾することにより、ポリピロールの電気化学特性を制御し、より優れた機能性を有するポリピロールの合成を検討した。このためには、α-位が無置換で3,4位に任意の基を有するピロールの合成法が必要である。我々は、ニトロアルケンとイソニトリルとの反応によってピロールの3,4位を任意に化学修飾することが可能であることを見い出した。 ここでR^2をMeとしてR^1をC_1から順次炭素数を変化させC_<15>までのピロールを合成し、ITOガラスを陽極にPtを陰極に用いて電解酸化を行いITO表面上にポリピロールの薄膜を生成させた。RがC_6以上のポリマーの電気伝導度は約10^<-2>Scm^<-1>であり、アルキル基の長さがそれ以上長くなっても大きな変化はなかった。STMでポリマーの表面を観測すると、Rが長くなるに従いポリマー表面の凹凸が少なくなり長鎖アルキル基をもつポリピロールの特性が現われてきた。
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