研究課題/領域番号 |
06226261
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
小林 健吉郎 愛媛大学, 工学部, 助教授 (20153603)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | メゾスコピック金属 / 表面準位 / 半導体電極 / 金属クラスター / 等温過渡容量法 |
研究概要 |
TiO2単結晶の表面に多孔状のSiO2薄膜をスパッタリング法により堆積させ、この穴の中に金属を電気メッキにより堆積させてメゾスコピック状態の金属クラスターを作成した。原子間力顕微鏡(AFM)で観測された500nm-500nm範囲のSiO2薄膜の表面には多くの孔が存在していることが確認される。この電極では水素発生に対するカソード電流が観測されことより穴を介してTiO2表面は直接電解質溶液に接していることが確認される。鉄を-0.5Vで電気メッキさせた電極のG/ωの周波数依存性において、鉄の堆積により新しくピークが発生しており、そのピーク周波数は電極電位の増大と共に低い周波数にシフトしている。このことは、このピークが表面(界面)準位によることを意味しており、ピーク値が状態密度に比例している。鉄吸着によってえられた準位の状態密度分布から、SiO2が存在しない系では状態密度の値はかなり大きくなっており、鉄吸着量の増大とともにより深いところに状態密度のピークが移動し、またその分布もかなり鋭い。これに対してSiO上では全体の状態数は低いものの、分布はかなりブロードになっている。これはSiO2の穴の面積が少ないため吸着総量は減少したものの1つの穴における鉄のクラスタの大きさは増大し、よりバルク的な性質を持ったものと解釈される。TiO2電極表面に銅を吸着させた場合、等温過渡容量(ICTS)スペクトルではOsより長い時間領域に銅吸着に起因する表面準位の信号が現れた。銅の表面準位のエネルギー(TiO2の伝導帯の底を基準にした場合)は鉄と比較してより深いところに位置している。
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