研究課題/領域番号 |
06227220
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
大野 弘幸 東京農工大学, 工学部, 助教授 (00176968)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | イオン伝導 / 金属イオン / 認識 / 高分子 / ポリエーテル / 溶解度 |
研究概要 |
各種クラウンエーテル環を主鎖上に有する高分子を合成し、低分子溶媒を含まない系でイオン伝導度を測定した。特に、アニオンの寄与を防ぐために、イオン伝導性高分子の合成に用いるモノマーをクラウンエーテル環を有する高分子の存在下で重合した。こうして得られたカチオン伝導体で、クラウンエーテル環キャビティに適応するカチオンの伝導が抑止されることを認めた。また、直鎖上ポリエーテルによる金属イオンの認識を試みた。ポリエーテルと金属イオンとの間で形成されるコンプレックスの安定性は用いる塩の格子エネルギーに大きく依存していることを認めた。ポリエーテル中に溶解させた無機塩は加熱により折出するが、溶媒として用いるポリエーテルの極性を制御することにより、析出する塩の格子エネルギーの下限をシフトできることを認め、従来析出できなかった塩の精製が可能となった。さらに、塩の格子エネルギーとカチオン半径の両者が大きいほど、ポリエーテルとの相互作用力が弱く、塩の混合系では優先的に相分離し、結晶として得られることも明らかにした。混合塩系では、カチオンとアニオンの交換反応も起こり、結果として最も格子エネルギーの大きな塩が析出する場合もある。このような交換反応が起こる条件を整理し、新しい塩の精製方法の可能性を示した。このように、ポリエーテル構造は、環状にするとハードな認識を行い、直鎖上ではソフトな認識を行うことのできる機能性分子であることを明らかにした。
|