研究課題/領域番号 |
06227245
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福住 俊一 大阪大学, 工学部, 教授 (40144430)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 有機金属ポルフィリン / 酸化還元反応 / 電子移動 |
研究概要 |
アセトニトリル中、EtCoTPP(λ_<max>=406nm)を強力な一電子酸化剤であるFe(phen)^3_3(phen=1,10-フェナントロリン)で電子移動移動酸化すると、1当量以下ではエチル基がポリフィリンの窒素上に転移した一電子酸化体(Co(EtTPP):λ_<max>=436nm)が得られることを見いだした。2当量以上ではさらに一電子酸化されてCo(ETPP)^<2+>(λ_<max>=444nm)が得られる。Fe(phen)^<3+>_3が大過剰の条件でCo(ETPP)^<2+>の生成速度をストップトフロー法を用いて決定すると、その生成速度は擬一次則に従い、その擬一次速度定数はFe(phen)^<3+>_3濃度の増加とともに増大し一定値に達することがわかった。この結果は、EtCoTPPからFe(phen)^<3+>_3への電子移動によりまずEtCoTPP^+が生成し、エチル基の転移により生成するCo(EtTPP)^+がFe(phen)^<3+>_3により一電子酸化されてCo(ETPP)^<2+>が生成することを示す。Co(EtTPP)^+の電子移動酸化はポルフィリン環で起こるため、可逆反応であり、その速度は速く律速段階にはならない。従って、Fe(phen)^<3+>_3濃度の増加とともに律速段階はEtCoTPPからFe(phen)^<3+>_3への電子移動過程からEtCoTPP^+からCo(EtTPP)^+へのエチル基の転移反応に移行する。この速度論解析から、EtCoTPPからFe(phen)^<3+>_3への電子移動速度定数は9.8×10^5M^<-1>s^<-1>と決定することができた、またEtCoTPP^+からCo(EtTPP)^+へのエチル基の転移速度定数も250s^<-1>と求めることができた。BuCoTPPおよびMeCoTPPについても同様にアルキル基の転移速度を決定した。その速度はアルキル基のサイズが大きくなるに従って増大した(Me<<Et<Bu)。
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