研究概要 |
高歪み含ケイ素小員環化合物である3,4-ベンゾ-1,1,2,2-テトラエチル-1,2-ジシラシクロブト-3-エン(1)を合成し、ニッケル錯体触媒存在下、オレフィン類との反応を行った。化合物1を触媒量のテトラキス(トリエチルホスフィン)ニッケル錯体存在下、1,1-ジフェニルエチレンと脱気封管中150℃、24時間反応させると次のような生成物が得られた。 またオレフィンとして、スチレン、1-ヘキセン、エチレンなどを用いて反応を行い、その結果に基づいて、反応中間体としてo-キノジシラン-ニッケル錯体が重要な役割を果たしていることを明らかにした。 また化合物1のパラジウム錯体触媒反応をベンゼン存在下、脱気封管中150℃、24時間で反応させると下に示す二重化生成物を収率よく与えた。 この反応においても、o-キノジシラン-パラジウム錯体が反応中間体として関与しているものと考えられる。
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