研究課題/領域番号 |
06227260
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
杉森 彰 上智大学, 理工学部, 教授 (40053590)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ユバルタジチオレン / アゾイソブチロニトリル / ラジカル置換反応 / 過酸化ベンゾイル / N-ブロモスクシンイミド / スクシンイミド基による置換 / メタラサイクル上での置換 / ベンゾイルオキシ化 |
研究概要 |
メタラジチオレンの相反する反応特性、すなわち不飽和性との共存による特異な反応性を、本年度はラジカル置換反応を中心に検討した。 (1)2,2′-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)との反応によって、コバルタジチオレン環およびニッケルジチオレン環はAIBN由来のラジカル種によって置換される。この反応はラジカル捕捉剤によって阻害されることからラジカル機構で進行しているものと考えられる。 (2)過酸化ベンゾイルとの反応では、メラタジチオレン環でのベンゾイルオキシ化が起こる。反応が過酸化ベンゾイルの分解温度より低い室温で起こること、フェニル化が起こっていないこと、シクロヘキサンやTEMPOのようなラジカル捕捉剤によって阻害されないことは、この反応が遊離のラジカルによって起されているのではなくて、過酸化ベンゾイルが遷移金属錯体の影響下で開裂・反応しているという興味深い機構で起こっていることを示唆している。 (3)N-ブロモスクシンイミド(NBS)の反応を検討したところ、期待されるブロム化は殆ど起こらず、ジチオレン環のカップリング、スクシンイミジル基による環水素の置換が見出された。これまでにNBSの反応は数多く調べられてきているがスクシンイミジル基による置換は大変珍しい。これらの反応にはラジカルの関与が考えられる。
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