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反応活性種としての有機スズ化合物試薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 06227264
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関早稲田大学

研究代表者

佐藤 匡  早稲田大学, 理工学部, 教授 (10063504)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード有機スズ化合物 / ダブルアニオン / 不斉有機合成 / 不斉3員化合物 / 画不斉クロム錯体
研究概要

我々は炭素-スズ結合の潜在的なカルボアニオン性に着目し、今までに幾つかの新反応を開発してきた。本年度はその一環として新らたに光学活性な3員環化合物および4級炭素化合物の構築に応用したので報告する。
1 光学活性3員環化合物の合成 シクロプロパン誘導体は3炭素のbuilding blockとして、また多くの天然物中の基本骨格として重要であり、そのため種々の合成法が知られている。我々は有機スズ化合物を用いて新たに合成法を確立した。
α,β-エノンにMe_3SnLiを作用させ、次いでアルデヒドを反応させると、β-スタンニル-β-ヒドロキシケトンが得られる。このものに塩化メタンスルホン酸(MsCl)を作用させると、水酸基が活性化されシクロプロパン体を生成する。すなわち本反応は[2+1]型付加反応による3員環形成で、アルデヒド炭素を3員環の構成要素として用いる点が特徴的である。そこでα-位に不斉中心をもつアルデヒドを用いて光学活性な3員環化合物の合成を検討した。
メチルビニルケトンにMe_3SnLiを作用させた後、バリンから合成した(S)-α-ヒドロキシアルデヒド誘導体を反応させるとアルドール体が得られる。このアルドールは3個の不斉炭素を有するため、4種のジアステレオマ-生成が考えられるが、実際には2種類しか得られない。これらをそれぞれ3員環化合物に誘導した後、塩基で処理すると一方のみの立体異性体になる。これを既知物質へ誘導し、その旋光度を比較することにより立体化学を決定した。これによりアルデヒドの不斉源を完全に3員環に誘導することが出来ることが示された。
2 光学活性4級炭素の構築 我々は以前、γ-位に脱離基(塩素)を有するアリルスタンナンはルイス酸存在下アルデヒドと反応させることにより、形式的にアルデヒドのC-C結合にアリルユニットが挿入した生成物が得られることを報告した。今回これを不斉4級炭素構築に応用する目的で画不斉化合物を利用することを計画した。種々の条件下での反応を検討した結果、Yb(OTf)_3を用いたときに最高の収率とジアステレオ選択性が得られた。現在予備的な実験でこのクロム錯体を光学分割し、それぞれから得られる不斉生成物の立体化学との関連性を検討中である。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2018-06-07  

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