研究概要 |
我々は、裸のパラジウムO価錯体触媒を開発し、ビタミンD_3のCD環セグメントの不斉合成を試みた。即ち、1、3-シクロペンタンジオン誘導体の不斉分子内Horner-Emmons反応により、98%deで得られたケトエステル5をイソプロペニル化したのち、炭酸エステル12bとした。我々の開発した活性パラジウム触媒を用いて、12bをギ酸還元することによってβ-配向のオレフィン13aを主生成物(13a/13b=10/1)として得ることができた。これからケトン14へ変換したのち、数工程を経てCD環セグメント2へ効率良く導くことができた。この活性パラジウム触媒によるギ酸還元法は、この合成プロジェクトの要になる反応である。 なお、この研究は以下の論文として発表した。 A new candidate for a properly substituted CD ring component of vitamin D_3 via intramolecular asymmetric olefination of a 1,3-cyclopentanedione derivative T.Mandai,Y.Kaihara,J.Tsuji,J.Org.Chem.,59,5847-5849(1994)
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