研究課題/領域番号 |
06227270
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
高橋 保 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (30163273)
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研究分担者 |
鈴木 教之 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (90241231)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ジルコナサイクル / アリルジルコネーション / アリルエーテル / シストランス異性化 / ジルコノセンジブチル / 触媒反応 / 分子内環化反応 |
研究概要 |
ジルコナサイクルのα位に脱離基CH_2ORを持つ場合、OR基が脱離して2重結合が生成し、アセチレン類とアリルエーテルとの分子間反応ではアセチレンのアリルジルコネーション化合物が生成することを見いだしてきた。本研究においては一つの分子内に2重結合とアリルエーテル部分を持つ分子の環化反応を試みた。出発物質はブタジエンのテロメリゼーションでパラジウムを触媒として簡単に得られる。まずジルコノセンジブチルを用いて量論反応を試みたところ、98%以上の高い収率で目的とする環化アリル化生成物が得られた。環化生成物のシス-トランスの比は30:70程度である。ジルコニウムは1倍より少し多めに用いるとこの比が変化することを見いだした。これは環化反応生成物が触媒量のシルコニウムの存在下シス体からトランス体に異性化するからである。この異性かを利用すると環化生成物のシス-トランスの比は最大で92:8にまで高めることができた。ジュルコノセンジクロリドとブチルマグネシウムとの触媒系を利用すると同様の環化反応が、触媒的に進行することを見いだした。この際、量論反応で見られたようなシス体からトランス体への異性化反応は観測されなかった。触媒反応の収率は60%から80%程度で室温で24時間以内に反応は完結することがわかった。このシス-トランスの比を向上させるため分子内に2重結合を持つ出発物質を用いたところ同様の環化反応が進行したが、量論反応でも触媒反応でもシス体のみを与えるきれいな反応になることがわかった。この2重結合の効果は一般的なものでジエンの環化反応に応用したところ全くシス体のみが得られた。このことはこれまでジエン類の環化反応で常にシス-トランスの異性体の混合物だったこれらの反応にとって大きな進展である。
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