研究課題/領域番号 |
06228207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
近藤 保 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (10011610)
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研究分担者 |
真船 文隆 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (50262142)
寺嵜 亨 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (60222147)
野々瀬 真司 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (70212131)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 液体表面 / 液体分子線法 / 多光子イオン化法 / 質量分析法 / イオン-分子反応 / 溶媒和電子 / 芳香族カルボニル / ヨウ化ナトリウム |
研究概要 |
液体表面付近にある分子の微視的挙動を明らかにすることを目的として研究を行なった。そのために、安定した連続液体流(層流)を真空中に導入する方法(液体分子線法)と、共鳴多光子イオン化法、質量分析法とを組み合わせることにより、液体表面付近で進行するイオン-分子反応や溶媒和電子の関与する反応を明らかにした。試料としては芳香族ケトン,C_6H_5COR_1,のアルコール溶液,R_2OH,を用いた場合、質量スペクトルの中には、1つのイオン種のみが選択的に強く現れることがわかった。生成するイオン種の溶媒依存性や、レーザー強度依存性から,このイオン種は[C_6H_5C(OR_2)R_1]^+と帰属された。これらのことは、芳香族カルボニル分子がT_1状態でアルコールから水素を引き抜き、それが光イオン化されることにより、中間体として[C_6H_5COH-R_1^+]というイオンを生成すること、またそれをアルコール分子が求核的に攻撃することによって生成していることを示唆している。またヨウ化ナトリウムのアルコール溶液を試料として用いた場合は、ナトリウムイオンと溶媒のアルコールを含む溶媒和イオン、ヨウ化ナトリウムで構成される会合体イオンに加えてナトリウムアルコキシドを含むイオンが生成することがわかった。このイオンは、電子捕捉剤の添加によって、その生成量が著しく減少することから、光照射によって生成する溶媒和電子が、アルコールに解離付着することによって生成していると考えられる。
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