研究概要 |
A.高周波熱プラズマの研究 (1).原子状酸素フラックスの測定 QCMを利用した原子状フラックスセンサーを用いて、200Torr Ar-O_2熱プラズマフレーム中の原子状酸素フラックスを測定した。酸素ラジカルフラックスは、ト-チ-基板間距離が短くなるほど、又、高周波入力が大きくなるほど増大し、少なくとも10^<19>atoms/sec・cm^2に達することが判明した。 (2).熱プラズマコーティングプロセスにおけるクラスター計測 プラズマフラッシュ蒸発法によるYBa_2Cu_3O_<7-x>膜堆積においてプリカーサーのサイズをトレンチ法を用いて計測した。YBa_2Cu_3O_<7-x>は酸素ラジカル中で数nmのクラスターとして基板に到達していることが明らかとなり、そのサイズは原料供給速度を増やし、基板-ト-チ間距離を長くすると大きくなる傾向が見られた。 (3).YBa_2Cu_3O_<7-x>膜の高速堆積 プラズマフラッシュ蒸発法によるYBa_2Cu_3O_<7-x>膜堆積において、基板-ト-チ間距離、原料供給速度、基板温度をパラメータとしてc軸配向する限界の供給速度を調べた。基板-ト-チ間距離を短くする、即ち原子状酸素フラックスを多くし、クラスターサイズを小さくするとc軸配向する限界の供給速度が増大した。また、基板温度530℃でも超伝導膜が得られ、低温堆積が可能となった。 B.低圧誘導結合式プラズマ(ICP)の研究 (1).低圧ICP-CVD法によるc-BN薄膜堆積 低圧ICP-CVD法において、基板をプラズマ源から斜めに配置し、連続的に膜厚が変化するc-BN薄膜試料の作成を可能にした。これをmicro-XPSにより分析した結果、c-BN生成と膜中残留Ar量に深い相関見られることが判明した。低圧ICP-CVD装置に四重極質量分析装置を組込み、c-BN薄膜堆積のためのCVD環境の定量化を行なった。基板表面へのイオン種は、Ar^+:50%,N^+_2:10%,H^+_2:10%,N^+:5%からなることが判った。
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