• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

リュードベリ分子を経由するラジカル生成メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 06228220
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関京都教育大学

研究代表者

伊吹 紀男  京都教育大学, 教育学部, 教授 (30027065)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード超励起分子 / アセチレン / リュードベリ状態 / 放射光化学 / 水素原子同位体効果
研究概要

シンクロトロン放射光を光源として、アセチレン分子を50〜90nmの光で分解するとCHおよびC_2ラジカルからの蛍光を観測することが出来た。これらのラジカルの蛍光断面積を水素同位体化合物、すなわちC_2H_2,C_2HD,C_2D_2、を用いて測定したところ、C^*_2ラジカルの蛍光断面積はC_2H_2>C_2HD>C_2D_2の順であり、CH^*(CD^*)においては逆にC_2H_2<C_2HD<C_2D_2であった。
本研究において用いた光エネルギーはアセチレンのイオン化ポテンシャルを越えている。そこで、蛍光励起スペクトルとイオン生成効率スペクトルを測定した。これらのスペクトルの解析結果により、C^*_2およびCH^*(CD^*)の前駆体の一つはC_2H_2^+イオンのA^^<〜2>A_g状態に収斂するリュードベリ状態であることが判明した。また、二つのスペクトルは、リュードベリ状態(一般には超励起状態という)がトランス型に曲がっていることを示唆した。このことはリュードベリ状態(超励起状態)が三員環活性錯合体を経て分子内水素原子転移を起こし得ることを意味する。この分子内水素転移の際にトンネル効果が効き、そのゆえ、CH^*(CD^*)の蛍光断面積はC_2H_2<C_2HD<C_2D_2の順に大きくなるという観測結果が合理的に解釈された。C^*_2ラジカルについては、C-HおよびC-D結合における通常の水素原子同位体効果が働いていると考えられる。
上記の結果により、今日までほとんど理解が進んでいなかった超励起アセチレン分子は如何なる過程を経てラジカルに分解していくのかという課題に対して、化学反応動力学的な解明が出来た。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Toshio Ibuki: "Radiative dissociation of C_2H_2,C_2HD,and C_2D_2 superexited at 50-90 nm region" The Journal of Chemical Physics. 102(4月1日号). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

URL: 

公開日: 1994-04-01   更新日: 2018-06-07  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi