研究概要 |
CH_4のほとんどすべての電子励起状態は解離性であり、その中で励起しきい値近傍に位置する1^2T_2,1^1T_2状態は非発光中性ラジカル生成で特に重要な役割を果たすことが期待されている。 今年度研究計画で低エネルギー電子衝突により、CH_4の最低三重項電子状態(1^3T_2)の励起断面積の角度依存性を、入射電子エネルギー15,20eVで初めて測定した。現在、しきい値イオン化質量分析法により、この状態から解離してくるCH_2又はCH_3の直接測定を進行中である。 前年度研究計画に従い、気相分子CH_4F,CH_4F_2,CHF_3,NF_3,C_2F_6,C_3F_8の低エネルギー電子衝突スペクトルにより、これら分子の振動励起に現われる短寿命負イオン生成過程を組織的に調べた。また、電子衝撃による表面吸着分子からの短寿命負イオン生成過程の研究で、基板として用いるCoO単結晶をLEEDで分析したところ、磁性構造からの交換反射回折スポットの観察にも成功した。 これらの成果は、3件の論文、4件の国際会議発表、11件の国内会議発表として公表されている。
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