研究課題/領域番号 |
06233207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上野 宗孝 東京大学, 教養学部, 助手 (30242019)
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研究分担者 |
渡部 潤一 国立天文台, 光学赤外線天文学研究所, 助手 (50201190)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1994年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | ガンマ線バースト天体 / CCDカメラ / 赤外線2次元検出器 / 広視野モニター観測 |
研究概要 |
ガンマ線バースターは高エネルギー天体の中で未だにその正体のつかめない天体である。これはこの天体に関する情報量の少なさに原因がある。近年「ぎんが」衛星の観測から、その正体は冷たくなった中性子星である可能性が示唆されていたが、後のGROの観測では、全天にほぼ一様に分布しているという従来の予想を覆す結果が得られている。しかも、大部分は一度だけのバーストであり、(ソフト)リピーターも3例しかない上に、最近では活動していない。さらにガンマ線観測の特殊性から、その位置を1度以内の高精度で決定することは困難であり、リピーターであるGBS0526-66が、LMC中の超新星残骸N49の方向にあるということが判っている以外は、未だに光学天体との同定に至ったものはない。光学的同定が可能になれば、位置決定が精度良くでき、ガンマ線と光のエネルギーの比から、この天体の種々のモデルに決定的な制限を与えることができる。 本研究ではガンマ線バースト天体の検出を目的として広視野のモニターシステムを2台開発し、距離の離れた2地点から同じ天域をモニターすることにより三角視差を用いて、地球近傍のフラッシュによるイベント(人工衛星やデブリのフラッシュや流星など)か、地球圏外の天体現象かを区別するシステムの構築を行った。実際には既存の32cm望遠鏡に広視野補正系を開発することで広視野カメラの開発を行い、これに赤外線まで感度があるCCDを用いたカメラシステムの構築を行った。またこれらを駆動して上記の目的を達成するためのCCD駆動システムの開発を行い、これらのシステムを用いてオーストラリアのニューサウスアエールズ大学の協力により、AAO観測所で長期のモニター観測を行った。観測結果は現在画像処理を行いつつある段階であるが、銀河中心・バルジ領域の観測ではガンマ線バースト天体のモニターだけではなく、多くの光学〜赤外線領域での変光天体や重量レンズ効果により変光を生じる現象が検出できる可能性があり、それらの現象のアッパーリミットも本研究から明らかにできる見込みである。
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