研究課題/領域番号 |
06235210
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山縣 ゆり子 大阪大学, 薬学部, 助手 (40183678)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | DNA修復酵素 / 3-メチルアデニンDNAグリコシラーゼ / 酵素反応機構 |
研究概要 |
大腸菌の3-メチルアデニンDNAグリコシラーゼIIは、強力な突然変異、致死作用を有するアルキル化剤によるDNA損傷のうち、主にN-アルキルプリン塩基を除去するDNA修復酵素である。本研究では、X線結晶構造解析法で3次元構造を決定し、本酵素のアルキル化DNA塩基の認識機構を原子レベルで解明するとともに、ラウエ法で酵素反応機構を解明するための基礎的データをえることを目的とし、本年度は以下の研究成果を得た。 本年度は、まず、昨年度作成した2.8A分解能の電子密度図(4種の重原子誘導体を用いた多重同型置換法に基づく)をもとに本蛋白質の3次元立体構造モデルを構築した。引き続き、2.3A分解能データを用いてプログラムX-PLORで構造の精密化を行ない、R値20.6%を得た。本グリコシラーゼは、α+β型のドメイン1、allα型のドメイン2と3の3つのドメインから構成されている。枯草菌や酵母の3-メチルアデニンDNAグリコシラーゼのアミノ酸配列と相同性の高い領域すべてが、酸化ピリミジンのグリコシラーゼのアミノ酸配列と相同性の高い領域すべてが、酸化ピリミジンのグリコシラーゼでもある大腸菌のエンドヌクレアーゼIIIと同一構造型であるドメイン2と3の間の溝に面していることから、この溝が活性に重要な部位と推定された。現在、この付近で3者間で保存されている残基の変異遺伝子を作成、アルキル化剤に対する感受性の変化を調べているが、ドメイン2と3の溝深くにあるAsp238が活性残基であることが示唆されている。ドメイン1は、TATAボックス結合蛋白質の対称的な2つのドメインと同一構造なので、DNAとの結合にかかわっている可能性が考えられる。
|