研究課題/領域番号 |
06237205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡 芳明 東京大学, 工学部, 教授 (40011225)
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研究分担者 |
岡野 靖 東京大学, 工学部, 助手 (40242010)
越塚 誠一 東京大学, 工学部, 助教授 (80186668)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 粒子法 / 非圧縮性流体 / ダム崩壊 / 砕波 / レーリーテ-ラ不安定性 / 界面 / 固・液衝突 / 液・液衝突 |
研究概要 |
蒸気爆発の素過程の数値シミュレーションのためには、界面、相変化、衝撃波が同時に取り扱える計算手法が必要である。しかしながら、従来の差分法や有限要素法では流体塊の分離や飛散は計算することができない。研究代表者らはこれまでに熱流動の計算を行うことのできる非統計的粒子法を開発してきた。この方法では、粒子間相互作用のみで一般的な熱流動問題を解くことができる。流体の分裂や飛散が容易に扱える。蒸気爆発の素過程の数値シミュレーションを目標として、次の項目に関する計算手法を検討し個々に計算の妥当性を確認した。 非圧縮条件モデルに適した内挿関数を開発した。これにより粒子の動きが滑らかになった。さらに非圧縮条件モデルを圧力のポアソン方程式を不完全コレスキー分解付共役勾配法を用いて解くことにより、数値安定性の向上と計算時間の大幅な短縮を実現した。これにより計算時間は格子法と同程度となった。計算方法の検証のため、ダム崩壊を解析し、対向壁に水流が衝突し飛散する様子を含めて実験と極めてよい一致を得た。次に二種類(例えば液体金属と水)を同時に扱えるように手法を改良した。レーリーテーラー不安定性を解析し、上に界面を持つ形状で下の軽い流体が上の重い流体を突き破って置換する計算が行えた。次に海岸での砕波を解析し、砕波が再現できた。この解析により移動壁が粒子法で容易に扱えることが示せた。次に固体塊が液体中に落下する問題、液体塊が液体中に落下する問題を解析し、粒子法でこれらが扱えることを示した。現在は固体と液体の密度差が5倍程度場合まで計算が可能であるが、水蒸気と水は密度差が1600倍あり、さらに検討が必要である。相変化、気液の多相流、表面張力、圧縮性の扱い、空間分解能の局所的調節などが今後の課題である。
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