研究課題/領域番号 |
06238203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
末宗 幾夫 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00112178)
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研究分担者 |
植杉 克弘 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (70261352)
沼居 貴陽 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (60261351)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | II-VI族半導体 / 超格子 / エキシトン / フォノン / フォトン / エキシトン束縛エネルギー / 量子閉じこめ効果 |
研究概要 |
II-VI族半導体超格子におけるエキシトンとフォノン、フォトンとの相互作用を実験的に明らかにすることを目的として、まずMOVPE成長したZnSe/ZnSSe超格子について、そのヘテロ界面を光学的に評価した。励起PL、反射スペクトル測定などから、一原子層の平坦なテラスからなるヘテロ界面が形成されていることを確認した。このような急峻なヘテロ界面を持つ超格子を製作できることが確認されたので、ZnSe/ZnSSe超格子におけるエキシトン束縛エネルギー、ならびにフォノンとの結合定数に対する量子閉じこめ効果について検討した。 エキシトン束縛エネルギーの評価は吸収、PLEスペクトルのエキシトンピーク、連続状態によるフイッティング、HH1-1SとHH1-2Sエキシトンのエネルギー差等から見積もった。井戸幅が10nm以上と広い場合にはバルクZnSeのエキシトン束縛エネルギー17meVに漸近している。井戸幅が狭くなるにつれて束縛エネルギーは〜25meVまで増加しているが、期待されたほどは大きな増加を示していない。 ZnSe/ZnSSe系ではcommon cationのヘテロ系であることから、伝導帯のバンド不連続が小さいと考えられる。エキシトン束縛エネルギーの増加が期待したほど大きくないのは、小さな伝導帯バンド不連続のため、十分な量子閉じこめが実現していないためと考えられる。 エキシトン吸収ピークの半値幅の温度変化測定より、エキシトン・フォノン結合定数は27.8meVと見積もられた。これはバルクの30meVに比べると小さくなっているが、期待したほどの低減は得られていない。この結果は、エキシトン束縛エネルギーの井戸幅依存性結果と対応している。
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