研究課題/領域番号 |
06238217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石原 照也 広島大学, 工学部, 助教授 (60168250)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 励起子 / 光学非線形性 / 位相制御 / 層状ペロブスカイト / 量子井戸 / 光学的ブロッホ方程式 / 2光子吸収 / フェムト秒 |
研究概要 |
低次元電子系における励起子共鳴領域の光学非線形性を利用した、量子状態の位相制御を実験的、理論的に明らかにすることを目的として研究を行なっている。本年度は鉛系層状ペロブスカイト量子井戸構造およびGaAs/AlGaAs量子井戸構造の光電流をモードロックチタンサファイアレーザの2光束のフェムト秒光パルスの間隔τの関数として測定し、パルス幅の程度のディップを観測した。鉛系層状ペロブスカイト量子井戸構造では(C_6H_5C_2H_4NH_3)_2PbBr_4(PhEPbBr_4と略称)をスピンコートする最適条件を見いだし、金の蒸着によって形成した電極ギャップの間に膜をつけて光電流を測定した。τ=0付近のディップは2光束の偏光に大きく依存し、直交偏光では観測されなかった。一方、GaAs/AlGaAs量子井戸構造におけるディップは共鳴エネルギーとの離調に依存して半値幅や形状が変化し、符号が反転することさえある。その振舞いは光学的ブロッホ方程式を用いた数値計算により再現することができる。また、励起子系に対する光学的ブロッホ方程式の妥当性およびこの手法を用いた励起子のコヒーレンスの制御について検討した。 さらに、PhEPbBr_4において励起子吸収エネルギーの半分程度のエネルギーをもつ赤色領域のパルス光を照射すると、励起子共鳴発光が生ずることをみいだした。これは2光子によって仮想的に励起された2p励起子が奇パリティをもつ音響フォノンによって1s励起子に散乱されることにより励起されたものと考えることができる。また入射光子エネルギーを変えることにより励起ピークを発見した。これは2p励起子への共鳴励起に対応するものでる。
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