研究課題/領域番号 |
06239107
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 雅英 (山本 雅秀) 京都大学, 工学研究科, 教授 (40025961)
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研究分担者 |
大須賀 篤弘 京都大学, 理学研究科, 教授 (80127886)
森島 洋太郎 大阪大学, 理学研究科, 教授 (70028249)
堀江 一之 東京大学, 工学研究科, 教授 (10013690)
宍戸 昌彦 岡山大学, 工学部, 教授 (60026268)
板谷 明 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (80035071)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
90,400千円 (直接経費: 90,400千円)
1996年度: 20,900千円 (直接経費: 20,900千円)
1995年度: 27,500千円 (直接経費: 27,500千円)
1994年度: 42,000千円 (直接経費: 42,000千円)
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キーワード | 高秩序環境場 / 高分子LB膜 / 励起エネルギー移動 / 三元系光合成モデル / 光誘起電子移動 / タンパク質 / ホールバーニング分光 / 両親媒性高分子電解質 / 励起エネルギー移動法 / 表面プラズモン法 / 超タンパク質 / 光化学ホールバーニング |
研究概要 |
(1)発色団、カルバゾール基、アントラセン基を導入したポリペプチドを材料としてラングミュア・プロジェット(LB)膜を調製し、累積膜の昼間および層内の励起エネルギー伝達・移動について検討した。単層での層内励起エネルギー伝達・移動を定量的に評価するとともに、層の配列制御により層間で効率よくエネルギー移動を起こし得ることを明らかにした。またポリペプチドLB累積膜は少なくとも100℃までは熱的に安定であることを示した。 (2)カルバゾール基を有する高分子および低分子化合物の非晶パルク固体フィルム中における光誘起電子移動過程を、ピコ秒からマイクロ秒時間域の過渡吸収と発光挙動を通して検討した。光励起により生成したイオン対の電荷再結合過程はホール移動過程と競争していること、電荷再結合を逃れたホールはアニオンとナノ秒からマイクロ秒時間域で再結合して消失すること、また再結合による発光が見られることを明らかにしている。 (3)p-ニトロフェニルアラニンを種々の部位に導入したストレプトアビジンによるビオチン化ピレニルアラニンの蛍光消光を検討し、タンパク質中の電子移動の距離依存性が単純に距離だけの関数となることを見出した。また2-アントリルアラニン(antAla)を部位特異的に導入したストレプトアビジンにビオチン化ニトロフェニルアラニン(ntrPhe)を結合させてantAlaからntrPheへの光誘起電子移動を調べ、タンパク質の構造と電子移動速度との関係を明らかにした。 (4)ホールバーニング分光を用いて種々の色素-高分子ハイブリットナノ構造体における色素周囲のミクロ環境や色素自身の励起状態ダイナミックスを評価した。色素含有ユニマ-をPVA膜中に分散した試料について疎水基の違いにより色素微環境の緩和挙動が異なることを明らかにするとともに、硬い構造に対応する低エネルギー励起モードが存在することを見出した。 (5)両親媒性高分子電解質が水溶液中でつくる極めてコンパクトで硬いユニマ-ミセル中では、励起三重項ZnTPPが著しく長寿命化する。このユニマ-ミセルの外部表面にメチルビオロゲン(HV^<2+>)を静電結合させ、これとの間で起こる光誘導電子移動により、内部にはZnTPPカチオンラジカルが、ミセル表面にはMV^<2+>が生成するが逆電子移動は著しく抑制され、カチオンラジカル種は数ミリ秒と極めて長寿命化することを見出した。 (6)ポルフィリダイマー、ポルフィリンモノマー、ピロメリットイミドからなる3元系光合成モデルを合成し、それぞれのクロモフォア-の距離や角度、あるいはエネルギーレベルを精密に調製することで、光吸収された励起エネルギーが一旦ダイマーに捕集され、そこからポルフィリン色素間の電子移動により電荷分離状態が生成し、電荷シフト反応により長寿命電荷分離状態が生成するという光合成反応中心に類似した一連の励起エネルギー移動および連続電子移動を一つの分子上で実現することに成功した。
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