研究課題/領域番号 |
06239202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山崎 巌 北海道大学, 工学部, 教授 (80002111)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 励起エネルギー移動 / LB膜 / 蛍光偏光解消 / ピコ秒レーザー |
研究概要 |
一層毎に異なる色素が累積したLB多層膜では、一方向の励起エネルギー移動が可能となる。本研究課題の目的は、この連鎖型エネルギー移動の機構を調べ、新しい光物理化学の展開を図ることである。本年度の研究成果は次のように要約される。 種々のシアニン色素から成るLB多層膜をつくり各層から発する蛍光の偏光解消減衰を測定した。励起パルスレーザーとしてTi:サファイアレーザーの第2高調波(パルス幅180 fs)、光検出器としてMCP-PMTを用い偏光子を通して蛍光を測定した。 垂直偏光レーザーパルス励起に対して、時間分解蛍光スペクトルでは観測側の偏光子を垂直および水平方向にしたときの挙動は互いに異なり、各層の蛍光帯の生成減衰曲線において、初期時間においては垂直成分が強度が大きく、異方性が高いのであるが、時間が進むとともに層内および層間エネルギー移動が起こることによって、はじめの偏光(垂直方向)が失われていく。蛍光偏光解消曲線をつくりそれらの減衰寿命を比較した。例えば第1層OCの偏光解消についてみれば、OC1層系では50ps、OC-TCの2層系では34ps、OC-TC-OCCの3層系ではさらに短くなり20psとなる。 これらの結果はエネルギー移動には2種類の経路があって、はじめの偏光が保存される高速の移動経路および各層において偏光が解消されつつ進む低速の移動経路が存在することを示している。さらに以前の実験結果すなわちエネルギー移動効率の積層数依存性、サイト選択性などの実験から、ここで問題とする連鎖型エネルギー移動においては、従来のForster機構とは異なって、はじめに光励起された高い振動準位からの直接的なエネルギー移動が起こり、さらに位相緩和の時間スケールにおいて可逆的なエネルギー移動プロセスが関与していることが示唆される。
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