研究課題/領域番号 |
06239204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
魚崎 浩平 北海道大学, 理学部, 教授 (20133697)
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研究分担者 |
叶 深 北海道大学, 理学部, 助手 (40250419)
近藤 敏啓 北海道大学, 理学部, 助手 (70240629)
中林 誠一郎 北海道大学, 理学部, 助教授 (70180346)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 走査型トンネル顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / GaAs / 表面原子像 / アノード溶解 / 光電気化学 |
研究概要 |
本研究は面構造が規定された半導体単結晶表面を基板とし、その表面を走査型プローブ顕微鏡システムを用いてnmスケールで加工する技術を開発するとともに、表面構造による反応性の違いを観察し、半導体の光電極反応を制御する事を目的に行っている。本年度は表面構造による反応性の違いとAFM探針による表面ナノ加工法の可能性を検討した。 1.電解質溶液中におけるGaAs清浄表面の観察 HClおよびH_2SO_4溶液中でp型とn型GaAs(100)の両方の電極について原子間距離が0.4nmであるGaAs(100)-(1×1)構造を観察することができた。表面にダングリングボンドが存在するために、真空中では最配列を起こす事とは対照的である。HCl溶液中では開回路電位付近で最も原子像が安定に存在し続けていた。一方、H_2SO_4溶液中では、水素発生が起こり始める直前の電位領域で最も明瞭な原子像を観察することができた。この結果は、表面のダングリングボンドはHCl溶液中ではアノード側でより強くCl^-によって末端修飾されているのに対し、H_2SO_4溶液中ではカソード側でH^+と結合しているためではないかと考えられる。 2.表面構造の電子化学反応に及ぼす効果 p-GaAs(100)電極をHCl溶液導入直後にカソード電位にすると表面が非常に平坦になった。これは表面の酸化物が還元除去されたためであると考えられる。また、このとき光電流はほとんど観察されなかった。一方、電位をアノード電流が僅かに流れる領域にすると表面に数nm程度の凹凸が形成された。これらの構造はほぼ均一な大きさであり、HCl溶液中でのアノード溶解プロセスが、As(111)面に対して最も速く進行する結果であろうと考えられる。さらに電位を正にすると台形構造が、大きくなっていく過程が追跡できた。これはアノード溶解プロセスによって構造の周りの部分が削られ、表面構造が非常に粗くなったためである。 3.AFM探針による表面ナノ加工 p-GaAs(100)表面をAFM探針によって1μm四方を1時間走査した後、2μm四方を観察すると、走査を繰り返した部分がくぼんでいる事が確認できた。
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