研究課題/領域番号 |
06239220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
市村 國宏 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (90232412)
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研究分担者 |
林 ゆう子 東京工業大学, 資源化学研究所, 教務職員 (30218599)
工藤 一秋 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (80251669)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | スチルベン / カルコン / 直線偏光 / ネマチック液晶 / 分子配向 / 光異性化反応 / 表面修飾 / 光定状状態 |
研究概要 |
(1)アゾベンゼン誘導体をシリカガラス表面に単分子層として結合し、この表面修飾ガラスを基板としてネマチック液晶セルを作成すると、アゾベンゼンの光異性化を引き起こす直線偏光が液晶分子の一軸配向を誘起することを報告してきた。本研究では、表面分子の光化学的挙動と液晶分子の配向との相関を明らかにする目的で、アゾベンゼンと同様な光幾何異性化反応を起こすスチルベンを取り上げた。そのオルト位にシリル基を導入したスチルベンを合成し、ガラス表面へ化学吸着によって結合した。ガラス表面での光化学反応は溶液中とほぼ同様に起こり、光幾何異性化とともに、長時間照射によってフェナントレンへの光閉環反応が起こることが確認された。 このスチルベンで表面修飾したガラス板でネマチック液晶セルを作成し、直線偏光を照射して液晶配向を評価した。その結果、液晶配向の効率はスチルベンに導入した置換基の効果を受けるだけでなく、照射波長に依存することを見いだした。これは光定常状態でのトランス体とシス体との比率によって配向能が依存することを示し、棒状であるトランス体の優先が一軸配向に好適であることが判明した。 (2)スチルベンと類似した光異性化反応を起こすカルコン誘導体のシリル化剤を合成して、同様にガラス表面を行った。液晶セルを作成して直線偏光照射したところ、一軸配向は引き起こされないことが分かった。ところが、液晶の種類によって0線偏光によって配向し、しかも、配向軸方向は直線偏光の偏光軸によって任意に制御できることも明らかとなった。詳細な検討から、カルコン自体は折れ曲がった分子構造のために液晶配向能を持たないが、液晶分子自体が直線偏光を吸収することによって配向が起こることが示唆された。
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