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光励起分子の緩和過程に対する溶媒効果の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06239261
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関名古屋大学

研究代表者

大峰 巖  名古屋大学, 理学部, 教授 (60146719)

研究分担者 齊藤 真司  名古屋大学, 理学部, 助手 (70262847)
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワードポリエンの光励起反応 / Sudden Polarization / 無輻射遷移 / 水中のプロトン移動反応 / 協調的移動 / 液体とクラスターのダイナミクス / 水素結合ネットワーク
研究概要

我々は光励起分子への溶媒効果に関して次のような研究を行っている。
1)溶液の水と水クラスターのダイナミックスに関する研究。
溶液の水とクラスターの水のダイナミックスの特徴を調べ、特にそれが誘電緩和、ラマン散乱、ニュートロン散乱に如何に反映されるか解析を行った。水の中の水素結合ネットワークの変化に伴って水分子の集団運動が存在し、水素結合の多相的構造のために各スペクトルが様々な特徴を持つことが分かった。また、クラスターに於ける緩和過程は溶液の緩和とは幾つかの点で大きく異なることを明らかにした。例えば、誘電緩和の速度は溶液の水では誘電緩和の速度は個々の水分子の双極子緩和速度よりずっと速いが水クラスターでは全く逆になる。その緩和プロファイルもクラスターではデバイ型からずれて1/f的様相を示す。溶質のダイナミックスにもそのような影響を及ぼすと考えられる。この原因は、小さなクラスターでは水素結合ネットワークが運動に及ぼす拘束が大きく間欠的な運動と成るためである。
ポリエンの光励起反応と水中におけるプロトン移動反応ダイナミックスの研究。
最も代表的な光励起分子反応であるポリエンの光励起C=C回転異性化反応に対する幾つかの電子状態のポテンシャルエネルギー面の様相、およびそれらの間の無輻射遷移の機構について調べた。特にC=Cの周りの回転に90度捩れたところでのSudden Polarization(突然にポリエンが極性を示す)と溶媒の効果の研究を進めている。ヘキサトリエンとオクタテトラエンの基底状態と励起状態間の無輻射遷移の計算についても進めている。水中におけるプロトン移動反応は酸化還元反応の基本である。水の水素結合ネットワーク上を幾つかのプロトンがある種の協調的に移動をする速い過程について調べている。これにはMoore達による光励起よる水分子の解離、再結合の実験があるが、その解明のために水和プロトンクラスターにおける分子間多体相互作用を解析し、密度汎関数理論における分子内原子の方法を用いた新しいポテンシャルエネルギー関数の構築を行なっている。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Komatsuzaki,I.Ohmine: "Energetics of proton transfer in liquid water I;Ab-initio study for origin of manybody interaction and potential energy surface" Chemical Physics. 180. 239-269 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] M.Cho,G.R.Fleming,S.Saito,I.Ohmine,R.M.Stratt: "Instantaneous normal mode analysis of liquid water" Journal of Chemical Physics. 100. 6672-6683 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] S.Saito,I.Ohmine: "Dynamics and relaxation of an intermediate size water cluster (H_2O)_<108>" Journal of Chemical Physics. 101. 6063-6075 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] I.Ohmine: "Liquid water dynamics;Collective motions,fluctuation and relaxation" Journal of Physical Chemistry. 印刷中

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] S.Saito,I.Ohmine: "Translational and orientational dynamics of a water cluster (H_2O)_<108> and liquid water:Analysis of neutron scattering and depolarized light scattering" Journal of Chemical Physics. 102. 3566-3579 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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