研究課題/領域番号 |
06239262
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
伊藤 繁 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (40108634)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 光化学 / 光合成 / 電子移動 / クロロフィル / キノン / 酸化還元電位 / レーザ分光 |
研究概要 |
生体光合成反応では高秩序に制御された局所環境場のなかで複数の反応分子種が相互作用し、さらに高次に組織化され、多段階でエネルギー変換効率の高い長距離電子移動系を構成している。この分子機構を解明するため、人工分子を導入した半人工の反応中心タンパクを作成し、ピコ秒領域でのクロロフィル→キノン間の電子移動反応を計測した。さらにマ-カス理論に基きエネルギーギャップ則の検討を行なった。植物の光化学系1反応中心タンパク内部の電子受容体フィロキノンを抽出除去し、かわりに酸化還元レベル、分子構造の異なる人工分子を再導入した。この内部での光励起電子移動を解析し、ピコーナノ秒領域でのレーザ分光によりスペシャルペア(P700)→クロロフィル(AO)→キノン(Qφ)の各電子移動過程の速度定数を決定した。フィロキノンとほとんど同じ構造をもつメナキノンをQφとして導入した実験系では、P700はレーザ照射後1ピコ秒以内で励起され、8ピコ秒でAOを還元し、AOはその後23ピコ秒でメナキノンにより再酸化されることが観測された。キノンがないとAOの酸化反応は千倍遅い30ナノ秒で進行した。またキノンを変えることによって、△Gを変えるとこの反応の速度定数は変化した。この超高速電子移動の機構を、さらに理論面からも検討した。
|