研究課題/領域番号 |
06240205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
正田 晋一郎 東北大学, 工学部, 助教授 (10143364)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 多糖 / オリゴ糖 / 酵素触媒重合 / 合成セルロース / セルロースII / セルロースI / 方向選択性 / 置換セロビオース誘導体 |
研究概要 |
本研究では、酵素触媒を用いる多糖・オリゴ糖の高選択的合成法を開発し、重合系において糖質が関与する超分子形成とその制御について考察した。 1.酵素触媒重合により得られるセルロースのモルホロジー観察 合成セルロース生成過程における高次構造と結晶構造を透過型電子顕微鏡および電子線回折を用いて調べた。触媒酵素に粗酵素を用いた場合、電子線回折は安定型のセルロースII型を示した。触媒酵素を部分精製した後、同様の実験を行ったところ、興味深いことに生成物中に繊維状のフィブリルが顕著に認められ、電子線回折の結果、準安定なセルロースIであることが判明した。この結果を基に、高分子合成における方向選択性(allos-selectivity)という新しい概念を提出した。 2.置換セロビオース誘導体モノマーの酵素触媒重合 酵素触媒重合の新規モノマーとして、6位、6'位および6、6'位にメチル基を有するフッ化セロビオシル誘導体を合成し、それらの酵素触媒重合によりセロオリゴ糖誘導体が位置ならびに立体選択的に生成することを見いだした。 3.酵素的オリゴ糖合成における基質特異性 フッ化β-ラクトシルとセルラーゼから生成する酵素-基質複合体に、各種糖受容体を作用させると、末端にガラクトースユニットを持つ新しいオリゴ糖が選択的に得られることを見いだした。これらの結果を基に酵素活性中心の受容体サイトにおける基質との相互作用に関して有用な知見が得られた。糖スルホキシドのジアステレオマ-混合物にβ-グルコシダーゼを作用させると、一方のジアステレオマ-のみが選択的に加水分解されることを見いだした。また、用いる酵素の起源により加水分解挙動が大きく異なることが分かった。これは糖スルホキシドの酵素的加水分解の初めての例である。
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