研究課題/領域番号 |
06240220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
柿沼 勝己 東京工業大学, 理学部, 教授 (90092543)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 3-イソプロピルリンゴ酸脱水素酵素 / 必須アミノ酸生合成 / 酵素-基質複合体 / 競争的阻害 / 遷移状態構造 / 部位特異的変異 |
研究概要 |
3-イソプロピルリンゴ酸(IPM)脱水素酵素(IPMDH,E.C.1.1.1.85)は、必須アミノ酸ロイシンの生合成過程における律速酵素として、補酵素NADの存在下IPMから2-オキソイソカプロン酸への酸化・脱炭酸を触媒する。本酵素の超分子形成機構や機能制御の研究は、酵素の人為的改質の指導原理確立の基礎として重要なだけではなく、必須アミノ酸生合成の特異的阻害剤を基盤とする除草剤・抗菌剤開発の観点からも注目される。 基質類似体である3-ビニルリンゴ酸を合成し、IPMとの反応を検討した。高濃度の酵素存在下では基質として機能しNADHを産生するが、低濃度の酵素条件下ではIPMに対し競争的阻害を示した。正規の反応の後二重結合が異性化した3-エチリデンオキザロ酢酸が生成したと思われ、現在その単離と確認を検討している。3-イリデンオキザロ酢酸が優れた競争的阻害剤になり得ると推定させるので、3-イソプロピリデンリンゴ酸を合成して検討したところ、酵素反応は進行せず、また阻害も示さなかった。基質の配座が酵素活性中心との相互作用に微妙に寄与していることを示唆すると考えている。一方、3-イソプロピリデンオキザロ酢酸の合成も検討している。 酵素-補酵素相互作用を明らかにすべく、計算化学により酵素タンパク質のArg225がNADのリン酸ジエルテル結合と相互作用すると推定し、変異酵素Gln225を造成すべくE.coliクローニング系を用いて部位特異的変異を行った。大量発現による酵素分子の精製を検討している。また、光親和性標識による酵素-補酵素相互作用の検討のため、NAD分子のN-(4-アジド-2-ニトロ)フェニル-β-アラニンによるアシル化を行なった。さらにアデニン8位のアジド化を検討している。
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