研究課題/領域番号 |
06240229
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
秋吉 一成 京都大学, 工学部, 助教授 (90201285)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 両親媒性 / 多糖 / 超分子 / ヒドロゲル / ナノパーティクル / コレステロール / プルラン / 糖脂質 |
研究概要 |
生体系では、複数の分子あるいは高分子が水溶液中で超分子を形成することで、それぞれ単独では得られない様々なユニークな機能が発現している。最近、工学、薬学や医学分野での応用と関連して生体類似の両親媒性高分子の水溶液中での自己会合とその機能発現に関する研究が行われている。我々は、水溶性天然多糖類に疎水基を部分的に置換した種々のリポ多糖類似の疎水化多糖類を合成し、その会合特性を検討してきた。特に、コレステロール基置換多糖類は水溶液中で分散させるだけで、自己会合により非常にサイズのそろった約20nmの球状の安定な超微粒子を形成することを見いだした。本年度は多糖の分子量、疎水基の構造、その置換度を種々変えた疎水化多糖を合成し、その会合特性を静的および動的光散乱法、蛍光分光法、排除クロマトグラフィーにより検討した。その結果、微粒子はナノスケールのヒドロゲル構造を有すること、その大きさ、糖密度、さらにヒドロゲル網目のポアサイズを、主に疎水基の置換度を変えることで制御し得ることが明らかになった。近年、種々の方法でナノ微粒子が合成され、バイオテクノロジー分野で幅広く応用されている。しかし、このように内部構造が比較的よく解析された50nm以下の単分散なヒドロゲル微粒子はいままでにほとんど報告例がない。両親媒性多糖の超分子形成能を利用することではじめて可能になったものといえる。また、種々の疎水性物質およびアドリアマイシンなどの薬物を強く取り込む不斉な疎水場が形成されていることも分かった。さらに、このヒドロゲル微粒子は種々の球状タンパク質をそのゲルマトリックス内部にしっかりと取り込むことを見いだした。取り込まれたタンパク質は熱に対してきわめて安定化された。
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