研究課題/領域番号 |
06240246
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)佐々木研究所 |
研究代表者 |
山下 克子 (財)佐々木研究所, 生化学部, 部長 (70030905)
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研究分担者 |
福島 慶子 (財)佐々木研究所, 生化学部, 研究員 (10250010)
大倉 隆司 (財)佐々木研究所, 生化学部, 研究員 (50183223)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | レクチン様活性 / TNF-α / リンホトキシン / IL-1 / GPIアンカー / マンノース-6-リン酸 / 卵白アルブミン / アルカリ性ホスファターゼ |
研究概要 |
種々のサイトカインのレクチン様活性は、生体内におけるサイトカインと標的細胞の間の認識機構およびそれぞれのサイトカインのクリアランス機構を考える上で重要である。本年度は種々のサイトカインの中から類似したレクチン様活性を示すTNF-α、リンホトキシン(LT)およびIL-1の糖結合特異性について報告する。 1.TNF-α、LTおよびIL-1と結合する糖蛋白質の同定 プレート法を用いて各種糖蛋白質とサイトカインの結合活性を調べた結果、TNF-α、LTおよびIL-1はいずれも類似した結合活性を示し、卵白アルブミン以外、GP-1アンカーを有するヒト胎盤アルカリ性ホスファターゼ、ウロモジュリン、癌胎児性抗原(CEA)、トリパノゾ-マ膜糖蛋白質と結合した。一方、複合型および高マンノース型のN-結合型糖鎖のみが結合した糖蛋白質群に親和性を示さないことから、TNF-α、LT、IL-1はGP-1アンカーのグリカン部分を認識していることが示唆された。 2.各種オリゴ糖によるサイトカインのレクチン様活性阻害 TNF-α、LT、IL-1の基本的な認識糖鎖を同定する為に、プレートにコートしたアルカリ性ホスファターゼあるいは卵白アルブミンとサイトカインの結合に対する各種オリゴ糖の阻害実験を行った。高マンノース型糖鎖、複合型糖鎖、GP-1アンカーの部分構造を担うイノシトール-1-リン酸、エタノールアミンリン酸やマンノース-1-リン酸、マンニトール-6-リン酸などには阻害活性が認められなかった。一方、卵白アルブミン由来の混成型糖鎖のGP-1およびGP-IIbやManα1→6Manβ1→4GlcNAcβ1→4(Fucα1→6)GlcNAc-Asnが阻害活性を示し、マンノース-6-リン酸もさらに強い阻害活性を示したことから、GP-Iアンカー中のジエステル結合したマンノース-6-リン酸残基がIL-1、TNF-α、LTのレクチンドメインを介して結合していることが明らかとなった。
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