研究課題/領域番号 |
06241103
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小宮山 真 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50133096)
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研究分担者 |
築部 浩 大阪市立大学, 理学部, 教授 (00144725)
井上 祥平 東京理科大学, 工学部, 教授 (20010762)
辻 章夫 昭和大学, 薬学部, 名誉教授 (80053784)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
35,800千円 (直接経費: 35,800千円)
1996年度: 15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
1995年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1994年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | 希土類錯体 / DNA / 蛍光 / 不斉認識 / アミノ酸 / 核酸 / イムノアッセイ / セリウムイオン / RNA / 抗原抗体反応 |
研究概要 |
種々の生体分子を効率的に分子認識し、また化学変換する材料の重要性は大きい。すでに、本重点研究において、希土類錯体が特異的な機能を有し、これらの目的に対して優れた特性を持つことを明らかにしてきた。本年度は、最終年度であることを鑑み、これまでに得られた知見を集約するとともに、さらなる進展を図った。まず、Ce(IV)とPr(III)あるいはCe(IV)とNd(III)とを組み合わせると、DNAに対する切断活性が、Ce(IV)を単独で使用した場合よりも飛躍的に(約10倍)大きくなるという興味ある現象を見いだした。Pr(III)単独では触媒活性は全くない。これらの複数希土類イオン混合系の触媒効果は、非酵素系のDNA切断触媒としてはこれまでで最大であり、加速効果は実に10兆倍にも達する。また、希土類イオンを触媒とすることにより、二酸化炭素を効率的に結合すると同時に活性化し、これを用いて新たな有機合成系を構築した。 一方、希土類イオン配位数が大きく、その周囲の化学環境を制御しやすいことに着目し、アミノ酸類を不斉選択的に結合し、また輸送することに成功した。さらにゲスト分子の光学活性を、光情報として取り出した。また、希土類錯体の蛍光が、波長範囲が狭く、しかも寿命が長いことを活用して、生体分子を高感度で分析する手法を開発した。さらに、複数の生体分子の同時分析にも成功した。以上のように、希土類イオンならびにその錯体の特性を活用して、生化学に対して極めて有効な知見を蓄積することが出来た。
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