研究課題/領域番号 |
06241202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
宮本 量 弘前大学, 理学部, 助手 (20250590)
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研究分担者 |
須藤 進 弘前大学, 理学部, 教授 (60003513)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 希土類錯体 / 電子常磁性共鳴 / EPR / 無秩序配向試料 / シミュレーション |
研究概要 |
本研究では、このf電子を磁気共鳴により直接観測する分光学的手段である電子常磁性共鳴(EPR)をおもに用いて、種々の配位子を持つ希土類錯体の性質を系統的に調べ、錯体の配位構造と電子状態との関係について検討した。 ここでは比較的EPRの観測が容易と思われるGd(III)とYb(III)を用い(それぞれ4f^7,4f^<13>の電子配置をとる)、これらの希土類イオンと種々のβ-ジケトンからなる錯体のEPRを測定し、得られたEPRスペクトルのシミュレーションによる解析を試みた。 その結果、得られたEPRスペクトルには天然で存在する同位体(Gd-155(14.8%),Gd-157(15.65%),いずれもI=3/2)によるサテライトは観測されず、大きなスピン多重度(S=7/2)のためにZFS相互作用による微細構造が観られた。さらにEPRスペクトルは配位子の違いにより線形が異なり、比較的内殻にあって他の電子に遮蔽されていると考えられている4f電子に対しても、配位子場の強さや配位構造の影響が現れていることがわかった。 また得られたEPRスペクトルについてシミュレーションを行ったが、pK_aが著しく小さい配位子をもつ場合においてGd(III)錯体の|D|が小さいという傾向がみられた。このようにEPRの結果はf電子に対して配位子場の影響があることをはっきりとあらわしており、大変興味深い結果である。
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