研究課題/領域番号 |
06241239
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村上 正浩 京都大学, 工学部, 助教授 (20174279)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | サマリウム / リサイクル / 均化反応 / アルキン / アルキル化 |
研究概要 |
サマリウムに用いるエチニルシランとハロゲン化アルキルの新しいカップリング反応について検討し、この新規反応において二価サマリウム種のリサイクルシステムを実現することに成功した。すなわちサマリウム金属にヨウ化サマリウムのテトラヒドロフラン溶液を加え、さらにエチニルシランとハロゲン化アルキルの混合物を加え、反応混合物を室温で12時間撹拌することによりアルキル化生成物を高収率で得た。本反応系では、一般の反応条件で必要とされる量の40%のサマリウムと、わずか10%の溶媒を使用するにすぎない。これは、系内に溶解しているヨウ化サマリウムがハロゲン化アルキルを還元した結果生成した三価サマリウム種2分子と、懸濁しているサマリウム金属1原子の間に酸化還元的な均化反応が起こり、3分子の二価サマリウム種が生成したことを示唆する。したがって、二価サマリウム種のリサイクル反応システムが達成されたことになる。各種のハロゲン化アルキルおよびエチニルシランを用いた結果、β‐二置換一級アルキル基や、二級アルキル基も良好な収率でカップリング生成物を与えた。非対象ジハロゲン化合物の場合は位置選択的なカップリング反応が進行した。従来、sp‐炭素上でのアルキル化反応は強塩基性条件で行われていた。この場合、脱離等の副反応が進行するために二級アルキル基や、β‐二置換一級アルキル基を効率よく導入することは困難であった。これに対し本反応では二級アルキル基やβ‐二置換一級アルキル基の場合も好収率でカップリング生成物が生成しており、合成化学的な観点からも有用な反応と言える。
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