研究課題/領域番号 |
06241261
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高木 誠 九州大学, 工学部, 教授 (90037739)
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研究分担者 |
井原 敏博 九州大学, 工学部, 助手 (40253489)
前田 瑞夫 九州大学, 工学部, 助教授 (10165657)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | DNA / 希土類金属 / DNA配位子 / 三元錯体 / 二本鎖融解温度 / B-Z転位 / poly(dG-dC) / DNA修飾電極 |
研究概要 |
核酸-希土類金属-有機配位子の三元錯体を構築する前の基礎的な検討として、まずDNAと希土類金属との相互作用について検討した。種々の希土類金属共存下、仔牛胸腺DNAの融解挙動を観察した。その結果、希土類金属は融解温度(Tm)を低下させる効果があることがわかった。Mg^<2+>などのハードな土類金属は2本鎖DNAのリン酸ジエステル骨格に結合し、2本鎖を強く安定化する(=Tmを上げる)。希土類金属はさらに強い同様な傾向をもつと考えられたが、これとは全く逆である。これにはDNAの高次の構造変化が関与している可能性があると考え、希土類金属共存下、DNAのCDスペクトルによる検討を加えた。希土類金属はDNAの塩基配列に依存して様々な構造変化を誘起することがわかった。中でも最も顕著であったのは、poly(dG-dC)については、僅かに数十μMという低濃度でB-Z転移を誘起することである。これは同様の実験におけるNa^+の数十万倍、Mg^<2+>の数千倍という驚くべき効果である。また、DNA修飾電極を用いた実験によっても同様にDNAと希土類金属の非常に強い相互作用が確認された。 希土類金属によるDNA配位子のDNA結合制御を目的として、代表的なDNA結合性小分子の1つであるインターカレータに金属結合部位を導入した新規DNA配位子を合成した。インターカレータとしてアントラキノン骨格、金属結合部位としてポリアミン(en、dien 、tren)、アミノ酸(gly、ida)、それと糖誘導体(d、l-グルコース)を用いた。特にアミノ酸修飾アントラキノンについては、そのDNA結合において希土類金属との協同性が観測された。すなわち、種々の希土類金属共存下における配位子とDNAとの結合定数は、希土類金属と配位子との親和性を反映して、よりハードな金属が共存している場合ほど(重希土>中希土>軽希土)大きくなった。
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