研究課題/領域番号 |
06241264
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
片田 元己 東京都立大学, 理学部, 教授 (20094261)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 希土類錯体 / ユウロピウム錯体 / ^<151>Eu-メスバウアー分光法 / 1,8-ナフチリジン / クロラニル酸 / 格子力学 / フェリシアン化物 / フェロシアン化物 |
研究概要 |
新規なユウロピウム錯体の合成と^<151>Eu-メスバウアー分光法による研究を目的として今年度の研究を行った。新規錯体としては、1,8-ナフチリジンを配位子とする、[Eu(napy)_2][Fe(CN)_6]・6H_2O(napy=1,8-ナフチリジン)やクロラニル酸を配位子とする錯体の合成を行うとともに、^<151>Eu-メスバウアー分光の立上げを行い、種々のタイプの錯体について、メスバウアースペクトルの温度変化測定を行った(温度変化には設備備品として購入したSI社の温度コントローラーを用い、スペクトルの測定には、購入したシンチレーションプローブを用いた)。その結果、新規錯体である[Eu(napy)_2][Fe(CN)_6]・6H_2Oは[Eu(napy)_2(H_2O)_n]^<3+>イオンと[Fe(CN)_6(H_2O)_<6-n>]^<3->イオンからなる錯体であることが推定できたが、詳細については単結晶によるX線構造解析が必用である。クロラニル酸との錯体については、組成比が必ずしも一定でなくさらに検討を要す。一方、メスバウアースペクトルの温度依存性の測定においては、分子性錯体であるEu(DPM)_3(DPM=ジメチルピバロイルメタナト)、Eu(acac)_3・H_2O(acac=アセチルアセトナト)、Eu(CH_3COO)_3・4H_2O及びEu(CF_3COO)_3・3H_2Oでは直線からはずれ、特に嵩高い配位子であるDPMの場合には傾きも急で、室温において、配位子がかなり激しく熱振動していることが分かった。また、Eu[Fe(CN)_6]・4H_2O、KEu[Fe(CN)_6]・4H_2O及びEuF_3では、温度変化は直線を示し、特に、EuF_3の温度依存性は小さく、この化合物が3次元の強い結合を有した化合物であることが分かった。このように、^<151>Eu-メスバウアー分光法は錯体の格子力学的性質を検討する上で有用な手段となり得ることが明らかにできた。これらの結果については、国内の討論会や国際会議などにおいて発表するとともに、論文として報告すべく準備を進めている。
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