研究概要 |
八面体クラスターR_6I_<12>(R=希土類元素)の中心に遷移金属元素Z(Z=Fe,Ni,Ru,Os,Ir,Auなど)が侵入したユニットR_6(Z)I_<12>をもつクラスターヨウ化物を合成し、^<155>Gd,^<166>Er,^<57>Fe,^<61>Ni,^<99>Ru,^<197>Auなどと^<127>Iのメスバウアースペクトルを測定して、メスバウアー原子上の電荷を知り、クラスターヨウ化物の結合の理解を深めることを目的とする。 1 化合物の合成 合成したYI_<3、>市販のRu(粉末)とY(削状)をAr気流中でTa管につめ、アーク炉で溶封した後、石英管に入れて、2Paで真空封入した。1000℃で6日-3週間加熱した後、さらに900℃で1日アニーリングした。粉末X線回折により、Y_6I_<10>Ruの生成を確認した。しかし、純度が低く、また収量も少ないため、^<99>Ruと^<127>Iのメスバウアースペクトルの測定にはいたっていない。 2 ^<166>Erメスバウアースペクトルの測定 合成したY_<0.4>Ho_<0.6>、58.4mgを日本原子力研究所のJRR-3PN-2で中性子照射して、およそ89mCiの^<166>Ho/Y_<0.4>Ho_<0.6>を得た。これを線源として、Er_2O_3やErF_3の20K-75Kのメスバウアースペクトルを得ることができた。^<166>Erのメスバウアースペクトルの観測は本邦で初めてである。Erのクラスター化合物が合成できれば、そのスペクトルを測定できる。
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