研究課題/領域番号 |
06242204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
宮田 幹二 岐阜大学, 工学部, 助教授 (90029322)
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研究分担者 |
佐田 和己 岐阜大学, 工学部, 助手 (80225911)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ホスト・ゲスト / 分子複合体 / 分子認識 / 分子配列制御 / ステロイド / 二重層状構造 / 結晶工学 / 固相反応 |
研究概要 |
ステロイドに関する研究の歴史は長いが、その包接化合物の系統的な研究は、デオキシコール酸・アポコール酸を除いて、ほとんどなかった。我々は、既知のステロイドと誘導体の多くが包接化合物形成能力をもつことを世界ではじめて確認しつつある。以下にこの成果を記す。 1.ステロイドホスト分子の合成:ホスト分子として多数のステロイドを合成した。特にステロイド核に水酸基を複数個有する市販のステロイドを出発原料として、その側鎖部分の官能基を変換させ、十数種類の新規ステロイドホスト分子を合成した。 2.ホスト分子の包接化合物の形成:上記ホストの包接結晶形成能を広範囲な有機化合物について調べたところ、予想以上にその能力があった。ほとんどのステロイドホスト化合物が安定な包接体を形成することが明らかとなった。またわずかな側鎖の官能基の違いやステロイド核の水酸基の数や位置などにより、その包接体形成能が大きく変化することも明らかとなった。わずかな官能基の差異が包接体の機能や構造に大きな影響を及ぼすことを示している。 3.ホストーゲスト集合体の構造解析:包接体のX線結晶構造解析を行い、今まで知られているものとの比較を行った。その結果、親水面・親油面を表裏にもつ面状両親媒性化合物に特有な集合様式、すなわち、二重層状構造(二次元の親水層と親油層からなる累積構造)の存在が明確になった。さらに、これらの包接体はこの親水部と親油部が相分離した構造であるため、集合体は動的な側面を持つことが明らかとなった。つまり、ホスト集合体は包接されるゲストの大きさ・形・キラリティを認識してに、親油層での層のずらしなどを行い、多くのゲスト分子を取り込むための種々の空洞を形成していることが明らかとなった。
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