研究課題/領域番号 |
06242220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
菅原 洋子 北里大学, 理学部, 教授 (10167455)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ヌクレオチド / 結晶構造転移 / 結晶相反応設計 |
研究概要 |
有機結晶の動的性格を知り、有機結晶相における反応制御の要件を検討することを目的とし、ヌクレオチド結晶において見いだした水蒸気圧に依存した構造転移現象の解析を進めた。本現象は、一連のヌクレオチド結晶において、結晶周りの水蒸気圧に依存して結晶水が可逆的に増減し、分子のコンフォメーション変化や、分子配列の変化を伴う構造転移現象が起こるもので、これまで、Na_2ATP、グアノシンなどの構造転移の解析を進めてきた。これらのうち、Na_2ATP結晶は単結晶を保持し、可逆的構造転移が進行する点において注目される。Na_2ATPの二水和物と三水和物の結晶構造に基づき、その要因の検討を行った。Na_2ATP結晶においては、ATP分子の三リン酸基部分がc軸方向に連なり、ラセン様構造を形成している。この構造は、結晶構造転移を通して保持されており、結晶構造を支える構造体として働いているとみられる。一方、リボース部分は結晶構造転移とともにコンフォメーション変化をおこしており、結晶水の出入りにともなって結晶内に生ずる構造上の歪を吸収する役割を果たしているとみられる。従って、両者が結晶内に共存していることが、単結晶性を保持した結晶構造転移に寄与しているという結論を得た。結晶相反応においても、このような構造の実現が反応の効率よい進行に有効であるとみられる。現在、このような利点を活かしたヌクレオチド結晶内反応の実現をめざし、反応部位を有するヌクレオチドの結晶化を進めている。
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