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分子性導体のモデルとしての低次元強相関電子系の基底状態および有限温度の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06243211
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

小形 正男  東京大学, 教養学部, 助教授 (60185501)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード分子性導体 / 擬1次元系 / 強相関電子系 / 朝永・ラッティンジャー液体 / フェルミ液体 / t-matrix近似 / スピン・電荷の分離
研究概要

相互作用する擬一次元電子系においても、朝永・ラッティンジャー液体的な異常金属相が起こるであろうかということが大きな関心の一つである。我々はこの問題に対して手掛かりとなるような結果を得た。結論としては、1次元朝永・ラッティンジャー液体と、3次元で実現すると考えられるフェルミ液体とのちょうど中間のような状態になる可能性があることがわかった。^<1)>
具体的に、擬一次元系の分散関係を用いてt-matrix近似の範囲で自己エネルギーを計算すると、θ=ξκのところで発散することがわかる。それに伴ってスペクトラル・ウェイトρ(κ,θ)=-ImG(κ,θ)はθ=ξκで0になる。その結果、フェルミ液体では準粒子のピークだったものが2つのピークに分離して見えることがわかった。(但しフェルミ面上の位置に依存する)
この様な2ピーク構造は1次元朝永・ラッティンジャー液体でのスペクトラル・ウェイトと近いものであるが、少し異なっている。実際、分離の幅(ピーク間の距離)を調べると、これはξκ→0となるにつれて急激に小さくなる。つまり見ている運動量がフェルミ面に近付くと、分離は小さくなりフェルミ液体と区別がつかなくなる。これに対して運動量がフェルミ面から離れている時(別のいい方をすれば、有限周波数、有限エネルギーの場合)、準粒子のピークが2つに分離する様子が顕著になる。つまり、低エネルギー極限の領域でのフェルミ液体的ふるまいから、比較的高いエネルギー領域での異常金属相へと移りかわっていくクロスオ-ヴァーが起きていることを意味している。これはちょうど1次元と3次元の中間であり、2次元と特殊性を反映した新しい型の液体が実現していると考えられる。
1)H.Fukuyama and M.Ogata,J.Phys.Soc.Japan 63(1994)3923.

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 福山秀敏: "Quasiparticles in Two-Dimensional Hubbard Model:Splitting of Spectral Weight" J.Phys.Soc.Japan. 63. 3923-3926 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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