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複雑な分子誘導体の電子状態のモデルの構築と電子相関の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06243217
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

福留 秀雄  京都大学, 理学部, 教授 (90025289)

研究分担者 井川 淳志  京都大学, 理学部, 助手 (80243004)
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードBEDT-TTF塩 / 電子状態 / 微視的モデル
研究概要

種々の準2次元的結晶を作るBEDT-TTF塩は分子そのもの及び結晶構造の複雑性のために電子状態の特質を良く捕らえた簡単化した電子状態モデルがこれ迄作られなかった。そのためBEDT-TTF塩の特徴である有機金属、超伝導体としての性質に電子相関効果がどのように寄与しているかという重要な理論的問題の研究が行われなかった。この研究ではBEDT-TTF分子に対してはエチレン基の超共役を取り入れたπ電子に対するPariser-parr-Pople(PPP)モデルを用い、βおよびκ型結晶の4分子クラスターに対する周期境界条件下でのHartree-Fock(HF)計算を行い、その特徴を再現する微視的モデルを構築する。クラスターのトップ4準位では各分子の最高被占準位(HOMO)のみが含まれ他準位の混合はほとんどない。塩では2分子のHOMOから1電子が引き抜かれる。HOMOから1電子を抜いた準位(SOMO)はHOMO内での電子間クローン反発Uが大きいので下に沈む。その位置に共鳴する準位があるとSOMOはクラスターに拡がる。しかし金属状態ではUはスクリーンされSOMOと共鳴する準位がないのが普通である。その場合HF状態ではトランスファーtが最大の分子対間でダイマーが形成される。スクリーンされていないUではU/tは90程度で系は強相関である。ダイマーのギャップは0.12eV程度で小さい。ダイマー間トランスファーは3角格子の形になっている。こうしてこの系はHOMOのみから成るHubbard系のダイマーが3角格子配列をなし、ダイマーギャップは小さく、3コの電子がダイマーに入っている。U/tは強相関領域にある。このモデルでの電子相関問題を解くことがBEDT-TTF系でのその寄与を解明することとなろう。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] A.Yamashiro,A.Ikawa and H.Fukutome: "Electronic and lattice structures in potassium-doped stage-1 polyacetylene" Synthetic Metals. 65. 233-248 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] H.Mizouchi,A.Ikawa and H.Fukutome: "Design of Donor Oligomers to Produce Parallel Spins upon Electron Transfer" Journal of American Chemical Society. March(発表予定). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] S.Yamamoto,A.Ikawa and H.Fukutome: "Quantum Fluctuation in the One Dimensional Hubbard Model with a Less Than Half Filling" Synthetic Metals. (発表予定). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] H.Mizouchi,A.Ikawa and H.Fukutome: "Ionic State of Meta-triphenyl-dicarbene" Synthetic Metals. (発表予定). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] N.Tomita,A.Ikawa and H.Fukutome: "The SDW-CDW Phase Transition and Quantum Fluctuations in the One Dimensional Extended Hubbard Model" Synthetic Metals. (発表予定). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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