研究課題/領域番号 |
06244215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
坂本 功 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80094267)
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研究分担者 |
大原 繁男 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (60262953)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ドハース・ファンアルフェン効果 / フェルミ面 / 希土類化合物 / 反強磁性体 / s-f混成効果 |
研究概要 |
Sm化合物(SmGa2、SmIn3,SmPr6等)のdHvA周波数のブランチの角度依存性は参照化合物(LaGa2等)のそれらと非常に良く類似しているが、特定の角度範囲でブランチの欠損や消失のあることが報告されている。これは(1)格子定数変化やそれによるs-f混成の度合いががフェルミ面の曲率因子を変え、それががdHvA振動を消失させる、(2)磁気的ブリルアンゾーンが形成されてフェルミ面の再構成が起こっていることなどによって説明されている。これらの説明には、しかしSm^<2+>状態がフェルミレベルの直上にあることの特殊性が考慮されていない。Sm^<2+>とs電子が混成して、s電子の質量が増強することは十分起こり得ることである。この可能性の提起と、確認を行うことが本研究の目的である。実験を進めるための設備の更新と測定プロブの開発を初めに行い、0.3Kで9.5Tの超低温・強磁場下でのdHvA効果の測定装置の完成をみた。これを用いてSmGa2のdHvA効果を観測した。超低温での測定から、10^4T台のdHvA周波数が広い角度範囲に存在することを新たに見いだした。dHvAブランチの角度依存はLaGa2のそれとは大幅に異なり、ブランチの消失や新しいブランチの現れなど、提起したs-f混成の効果を捉えることができた。またs-f混成の効果を映すフェルミ面(dバンドフェルミ面)とそうでないフェルミ面(spバンドフェルミ面)が共存していることが判明したことも大きな効果であった。また反強磁性状態のフェルミ面は、磁気的ブリルアンゾーンの形成による畳み込みの効果を反映して、複雑なブランチを呈することが判明した。今後の課題として参照物質のdHvA効果の確立した物質SmAl_2、SmIn_3、SmCu_2、SmPr_6等のサマリウム化合物のdHvA効果の研究を進めたい。
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